働き方改革コラム

2020.01.21

中小企業が働き方改革を進めて残業を減らすには?残業規制について説明

中小企業が働き方改革を進めて残業を減らすには?残業規制について説明

 

長時間労働の解消のため「働き方改革関連法」が成立し、近年では様々な取り組みが日本全国の企業で進められています。
なかでもとりわけ経営者が対応に頭を悩ませることも多いのが、残業時間の上限設置などによる残業規制の強化です。

大企業では昨年の4月1日から実施されていましたが、2020年4月1日から中小企業でも「時間外労働の上限規制」が始まります。 

 

残業規制とは?残業時間の上限について

残業規制の強化とは、2019年4月から施工されている働き方改革関連法案の中の、勤務時間に関する上限や罰則の強化のことです。

今回の改正によって、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができなくなります。

気を付けておきたい点を3つのポイントに分けてご説明いたします。

 

残業時間の上限規制

これまでも、労働基準法においては原則1日8時間、週40時間労働と定められていました。
これを法定労働時間と呼び、法定労働時間を超えて労働者を働かせるには労使間で36協定(サブロク協定と呼びます)を結ぶことになっています。

36協定にも一カ月間や一年間の法定外労働時間の制限はあるのですが、それ以上に残業時間を伸ばすために特別条項を利用することができました。
特別条項付きの36協定を結ぶことで、1年のうち6カ月間に限り残業時間の上限規制がなくなります。
けれども上限を超えても行政指導のみで罰則などはなく、限定的とはいえ残業時間が無制限になるのも問題だったため、今回の上限規制に至ったのです。

残業時間の上限規制により、時間外労働の上限については通常時でも月45時間、年360時間が原則となりました。
そして、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、以下を守らなければなりません。 

  • 時間外労働が年720時間以内 
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満 
  • 時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平 均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1ヶ月当たり80時間以内 
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度 


月45時間、年360時間の制限はこれまで36協定で定められていた内容と同様ですが、これまでと違い違反事業者には厳しく罰則が科せられることになるのです。

 

上限を超えた企業に課せられる罰則

残業時間の上限規制を破った場合、使用者には厳しいペナルティが課せられることとなります。
具体的には「6カ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」です。

また、罰則を受けた場合、その程度によっては厚生労働省によって企業名が公表されることもあります。
もし公表をされてしまうと企業イメージの大きなダウンにつながりますし、取引先との関係悪化にもつながりかねません。
現状の流れからしても以前より厳格に取り締まられることが予想されます。

本改正がいかに厳しいものに思えたとしても、「ウチは仕方ないんだよ」と安易に考えてしまわずに、現実的な対応方法を模索していく必要があるでしょう。

 

割増賃金の水準が大企業並みに上がる

また、残業時間の上限を定めて厳罰化しただけでなく、働き方改革では中小企業における割増賃金の水準も上がります。
残業時間が60時間を超えた分の割増賃金率が、現行の25%から50%に引き上げられるのです。

大企業においては既に上記の水準であるため、今回の改定で中小企業の基準が大企業と同水準にまで上がるということになります。
猶予は2023年3月までありますが、本改定も時間外労働に対する抑制が目的であるため、出来る限り早期に対応することが望ましいでしょう。

 

 

 

このような課題を見据えて、私達浅間商事には就業管理システム導入や更新のお問い合わせ、社労士の先生方には36協定の見直しの問い合わせが増えています。 

正社員だけでなく、パートやアルバイトの方々の管理も必要になりますので、従業員の多い会社様では手作業の集計では間に合わない、または月の途中で違反に気がつくことができないといった課題が発生しています。 

今回の残業規制は就業規則や36協定など法律面と、就業管理システムなどシステム面両方が関わってくる課題です。私たち浅間商事でも昨年から本格的に両方の見直しを進めていますので、皆様にもお早目の対応をおすすめします。  

 

残業を減らすために取り組むべきこと

残業時間の上限規制に対応するため、職場メンバーの残業時間を減らすために経営側が取れる方法にはどのようなものがあるでしょうか。
労働者任せにしてしまうのではなく、使用者側としてもこれからお話しするようなポイント重点を置いて改革への対応を進めましょう。

 

勤怠管理の見直し

企業として残業時間を減らすためにまず考えるべきことは、勤怠管理体制の見直しです。
自分がいったいどれだけ働いているのかを労働者自身が把握しているケースは案外少ないと言えます。
そのため使用者側が職場のメンバー1人1人の労働時間を適切に把握することが肝心です。
残業時間が一定の数値に達した人には説明と適切な指導を行うなど、管理徹底する体制を整えていきましょう。

そうは言っても、忙しい経営者が従業員の勤務時間を正確に把握することは難しいのが現状とも言えます。
そうした状況の経営者の皆様におすすめしたいのが、勤怠管理ツールやシステムを積極的に導入いただくことです。

職場メンバーの勤務状態を一元管理することで、管理の精度と効率を併せて上げて「抜け漏れ」の無い管理が期待できます。
勤怠に必要以上の時間を取られて本末転倒となってしまわないよう、システムやツールを導入し、有効活用していきましょう。

 

業務効率化の推進

慢性的な長時間労働状態を絶生するには、職場メンバー1人1人の業務効率化を推進していく必要があります。
もちろん個々のメンバーが自発的にスキルアップをすることで業務効率化は進んでいきますが、経営者としては、職場メンバーの努力に期待しているだけではいけません。
「時短ハラスメント」となってしまわないように、職場メンバーがイキイキと働いていける環境を整えていく必要があります。

  • インターネットクラウドオフィスの活用により情報共有の迅速化と簡便化を図る
  • モバイルPCを従業員に配備し働く時間や場所を自由にする
  • 職場内のフリーアドレス制を推進し、ペーパーレス化を推進する

上記のような様々な対応を少しずつでも推進していくことで、着実に業務効率化をしていきましょう。

 

 

 

変形労働時間制の導入

変形労働時間制とは、労働時間を月単位や年単位で調整することで、繁忙期等により勤務時間が増加しても時間外労働としての取扱いを不要とする労働時間制度です。

業種や業態によっては、繁忙期と閑散期の差が激しい仕事もありますよね。
そういったケースにおいても残業規制にそのまま対応しようとすると、閑散期は良いのですが繁忙期にはとてもじゃないけど収まらない、ということもあり得ます。
そこで、定められた労働時間を効率的に割り振り、労使共に無駄なコストを減らすことができるのが、変形時間労働制なのです。

最近よく話題に上がるフレックスタイム制も、変形労働時間制の一つと言えます。

 

残業代の還元

残業時間を短くすると言われると、「残業代が減ってしまう」「サービス残業が増えるのでは?」とネガティブに捉える社員もいます。

業務時間がいくら短くなったとしても、働く意欲がなくなってしまっては問題です。

そのため、単純に労働時間を減らす活動をしているだけでは、働き方改革がなかなかうまくいかないケースも出てくるでしょう。

そういった社員の意識改革に役立つのが、残業代の還元という考え方です。

  • 残業を削減した時間分を賞与や手当で支給する
  • 福利厚生サービスで還元する
  • 食堂やカフェテリアを充実させたり割引等をしたりする

上記のような手段で残業代の還元を行えば、効率的に働くことに対してポジティブなイメージを職場メンバーに持ってもらうことができます。

社員が進んで労働時間を短くしたいと思える環境を整えれば、残業を減らすだけでなく業績への好影響も期待できるでしょう。

 

残業を減らして働き方改革を成功させよう

残業を減らすことに対しては苦手意識があったり、ネガティブなイメージがあったりする人も多いのが現状です。
しかし、「残業を減らすにはどうしたらよいか」を考えることによって、業務効率が上がったり職場環境が整ったりと、企業の強さそのものを高めることにもつながるのです。
ぜひとも積極的に取り組んでいただき、誰もがイキイキと働ける素敵な職場を目指していきましょう。


残業規制の対応の進め方などでご不明な点がある方は、浅間商事担当者にご相談ください。 


参考

 
 

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